1. 今、不登校のわが子に「勉強どうする?」と悩む親御さんへ
中学生のわが子が学校に行けなくなったとき、親としていちばん気がかりになるのは「このまま勉強が止まってしまって大丈夫なのかな」という不安ではないでしょうか。
毎日机に向かう習慣がなくなり、教科書もノートも開かないまま日々が過ぎていく。無理に「勉強しなさい」と言っても、子どもはますます心を閉ざしてしまう。それでも、やっぱり将来のことを考えると「何かしらの学びは続けさせたい」と思ってしまうのが親心だと思います。
そんな中、最近注目されているのが「オンライン学習」です。とくに自宅で無理なく取り組めるオンライン家庭教師の利用が、少しずつ増えてきました。
この記事では、不登校のお子さんが少しずつ自信を取り戻しながら学んでいくための方法として、オンライン学習、とくにオンライン家庭教師という選択肢をやさしくご紹介していきます。ご家庭の状況に合わせた使い方のヒントもお伝えしますので、「何から始めたらいいの?」と迷っている方にもきっと参考になるはずです。
2. 不登校の中学生が抱えがちな3つの壁
お子さんが学校に行けなくなったとき、ただ「勉強が止まってしまう」というだけではありません。実は、その背景にはいくつかの「見えにくい壁」があります。ここでは、とくに多くのご家庭で見られる3つの壁についてご紹介します。
1. 生活リズムの乱れ
朝起きる時間が不規則になったり、昼夜逆転してしまったり。学校という時間の区切りがなくなることで、生活のリズムが大きく乱れてしまうケースはとても多いです。これは心や体のエネルギーが落ちているサインでもあります。無理やり整えようとすると反発してしまうこともあり、親御さんにとっては悩ましいポイントです。
2. 勉強の遅れと「どうせ無理」という気持ち
学校に行けない間にも授業は進んでいきます。「みんなは今どこを勉強してるんだろう」と焦る一方で、「どうせ今さら追いつけない」と自信を失ってしまうお子さんも少なくありません。わからないことが増えるほど、「やりたくない」気持ちが強くなり、ますます遠ざかってしまいます。
3. 学びの場がなく、何から始めたらいいかわからない
「とりあえずワークをやらせよう」「映像授業を見せよう」と思っても、子どもが自分から動いてくれるとは限りません。塾に通うのも難しいとなると、そもそもどんな学び方が今の状態に合っているのかが見えにくくなります。結果として、何も手がつかないまま時間が過ぎていく…というご相談はよくあります。
これらの壁を前に、「どう関わればいいのか分からない」と戸惑っている親御さんも多いのではないでしょうか。でも、ご安心ください。お子さんのペースに寄り添った方法なら、少しずつでも前に進むことができます。
3. 家庭学習がうまくいかない理由と、よくある失敗例
「学校に行けないなら、家で少しでも勉強を…」
そう思って教材を買ったり、動画授業を探してみたりしたことはありませんか?
でも、思うようにいかなかった。そんな経験をお持ちのご家庭も少なくないはずです。
ここでは、家庭学習がうまく進まない理由と、実際によくある失敗パターンをいくつかご紹介します。
市販の教材を買っても、やらない
「これなら自分でできそう」と思って参考書やワークをそろえても、開いたのは最初の1日だけ。そんな声をよく耳にします。
不登校の子どもにとって、自分ひとりで机に向かうのはとても大きなハードルです。そもそも「どこから手をつければいいのか分からない」という気持ちもありますし、集中力が続かないこともあります。
映像授業は流すだけで終わってしまう
YouTubeやオンライン教材の動画は、一見わかりやすそうに見えます。でも、画面越しの授業はどうしても受け身になりやすく、途中で飽きてしまったり、ただ「見ただけ」で終わってしまうことがよくあります。
特に、不登校の期間が長くなっているお子さんにとっては、「わからないところを質問する」機会がないまま進んでしまう映像授業は、逆にプレッシャーになることもあります。
通信教育の教材がたまっていく
よかれと思って通信教育を申し込んだけれど、実際には毎月の教材が手つかずでたまっていく…。これもよくあるケースです。
「やらなきゃ」という気持ちがプレッシャーになってしまい、教材を開くのがつらくなることもあるのです。
どれも、親御さんが「なんとかしてあげたい」という気持ちから始めたことばかりです。だからこそ、うまくいかないときのもどかしさや焦りは、とても大きいものだと思います。
でも、失敗の理由は「やる気がないから」ではありません。
その子に合ったやり方や関わり方を選べていないだけのことがほとんどです。
4. 不登校の子にこそオンライン家庭教師が合う理由
ここまで読んでくださった親御さんの中には、
「うちの子にはどんな学び方が合うんだろう」と悩んでいらっしゃる方も多いと思います。
そんなとき、選択肢のひとつとしてぜひ知っておいてほしいのがオンライン家庭教師です。
これは、パソコンやタブレットを使って、画面越しに先生とマンツーマンで学ぶスタイルです。
「えっ、家庭教師って不登校の子にも合うの?」
と思われるかもしれません。でも、実はオンラインだからこそ、不登校のお子さんにぴったりな理由がいくつもあるのです。
自宅で学べるから安心できる
まずいちばん大きいのは、「外に出なくていい」という安心感です。
人と顔を合わせることに抵抗があるお子さんでも、画面越しなら少し気持ちが楽になります。
自分の部屋という安心できる環境の中で学べるので、心のハードルがぐっと下がるのです。
自分のペースで進められる
学校のように「クラス全体のペース」ではなく、その子に合わせて進められるのが家庭教師の大きな特長です。
たとえば「今日は5分だけ」「この単元だけ」というふうに、その日の体調や気分に合わせた対応ができるので、勉強への抵抗感が少しずつ和らいでいきます。
勉強だけじゃなく、話を聞いてくれる大人がそばにいる
不登校のお子さんは、誰かとつながる経験そのものが減っていることがあります。
オンライン家庭教師は、ただ知識を教えるだけでなく、日々の悩みや気持ちに耳を傾けることもできます。
親御さんに言えないことでも、ちょっとした雑談の中で気持ちがほぐれていくことも少なくありません。
成功体験を積みやすい
「できた!」という小さな成功体験が、不登校のお子さんにとっては大きな意味を持ちます。
そのために、オンライン家庭教師は無理なく達成できる目標設定を大切にしています。
最初は「今日は教科書を開けただけ」でOK。その小さな一歩が、自信へとつながっていきます。
このように、オンライン家庭教師は単なる「勉強のサポート」ではなく、お子さんの心に寄り添いながら少しずつ力を引き出していく存在です。
5. オンライン家庭教師って実際どうなの?よくある疑問Q&A
オンライン家庭教師に少し興味が出てきたとしても、実際に始めるとなると「うちにできるかな?」と不安になりますよね。
ここでは、親御さんからよく寄せられるご質問をQ&A形式でご紹介します。
Q1. インターネット環境があればすぐに始められますか?
はい、基本的にはパソコンやタブレット、そしてWi-Fiなどの通信環境があればすぐに始められます。
スマートフォンでも対応できるケースはありますが、画面が小さいと見づらさを感じることもあるため、できればタブレットやPCの使用がおすすめです。
Q2. どんな先生が教えてくれるんですか?
指導にあたるのは、不登校のお子さんへの理解がある先生が多いです。
学歴や指導経験はもちろんのこと、何よりも「話をきちんと聞いてくれる」「無理をさせない」「安心できる雰囲気を大切にする」といった部分を重視して選んでいるところも多くあります。
Q3. 授業のペースはどのくらいですか?
ご家庭やお子さんの状況に応じて、週1回・30分から始めることもできます。
最初から詰め込みすぎず、「今日はここまでできたね」と本人が前向きになれるようなペース配分を大切にしています。
Q4. 学校の進度に合わせてもらえますか?
もちろん可能です。学校の教科書をベースに、「今どこまで進んでいるのか」「何がわからなくて止まっているのか」を丁寧に確認しながら、無理なくサポートしていきます。
また、「高校受験が不安」「内申が取れないけど将来が心配」という場合も、個別に相談にのることができます。
Q5. 子どもが乗り気でないのですが、無理に始めても大丈夫?
無理に始めることはおすすめしません。
でも、「今日は顔を出さなくてもいいから先生と話だけしてみようか」といった**“超・小さな一歩”から始められるスタイル**もあります。
「勉強」というよりは、「話せる人ができた」「安心できる場所ができた」という感覚でスタートできるように工夫されている家庭教師も増えてきています。
「やってみたいけど、うちの子に合うか分からない」
そんなときは、体験授業やお試しセッションを活用するのもおすすめです。
6. 実際に効果があったご家庭の例
オンライン家庭教師を始めたご家庭の中には、「こんなふうに変わったんです」と嬉しいご報告をくださる方もいらっしゃいます。
ここでは、実際にあったエピソードをもとにした、よくある変化の一例をご紹介します。※個人が特定されないよう一部変更しています
ケース1:半年間、教科書も開けなかった中学2年生の男の子
小学校高学年のときから学校に行けなくなり、中学に入ってからも不登校が続いていたAくん。中2の夏、保護者の方から「このままではまずいと思うけど、本人が勉強に全く興味を持たない」とご相談がありました。
最初の1ヶ月は、授業というより「ゲームの話」や「今ハマっている漫画の話」からスタート。少しずつ心を開いてくれて、2ヶ月目には「中1の数学だけでもやってみようかな」と教科書を開くように。
今では週に2回の授業を続けながら、自分でノートを取ったり、計算問題を解いたりする時間も増えてきました。
親御さんからは、「久しぶりにAの前向きな顔を見ました」と感謝の言葉をいただきました。
ケース2:「もう学校の勉強はいい」と言っていた中学3年生の女の子
Bさんは、クラスでのトラブルがきっかけで学校に行けなくなった中3の生徒さんでした。面談では「勉強はもういい。進学もしない」と言っていたものの、「話だけでも」とお母さまが家庭教師を試してみることに。
最初はカメラをオフにしたまま、先生と音声だけのやりとり。でも、週1回の短い時間を続ける中で、「この先生なら話せるかも」と感じてくれたようで、2ヶ月目には顔出しでの授業に切り替わりました。
その後、好きだった英語を少しずつ再開し、通信制高校の進学を視野に入れながら「もう一度ちゃんとやってみたい」と話してくれるようになりました。
これらの例に共通しているのは、本人の気持ちを大切にしたスタートがあったことです。
「すぐに結果を出す」よりも、「少しずつ前向きになっていくこと」を何より大切にする。それがオンライン家庭教師の強みでもあります。
7. 親ができる、やさしいサポートとは?
お子さんの不登校と向き合う日々は、親御さんにとっても心のエネルギーが必要ですよね。
「何かしてあげたいけど、どう声をかけたらいいか分からない」
「放っておいた方がいいのか、それとも働きかけるべきなのか…」
そんなふうに迷いながら、日々を過ごしておられる方もいらっしゃると思います。
ここでは、オンライン学習や家庭教師を取り入れる際に、親としてどんなふうに寄り添えるかをいくつかご紹介します。
無理に勉強させようとしなくて大丈夫です
勉強のことを考えると焦ってしまうのは、親としてごく自然な感情です。
ですが、お子さん自身は「やらなきゃいけない」と分かっていても、心と体がついてこないこともあります。
そんなときは「まず元気になってから考えようか」と言ってあげるだけでも、気持ちがラクになるものです。
勉強よりも先に、安心感の土台を整えてあげることが、結果的に一番の近道になることも多いのです。
「一緒に考えようか」が魔法の言葉です
「何か勉強始めたいと思ってる?」「どんなやり方が気になる?」と聞いてみると、お子さんが少しだけ自分の気持ちを話してくれることがあります。
そのときに、「じゃあやってごらん」ではなく、「一緒に考えてみようか」と言ってあげると、ぐっと安心感が増します。
勉強も学び方も、親子で一緒に模索していけるという感覚が、「どうせ分かってもらえない」という気持ちを和らげてくれることがあります。
小さな一歩を一緒に喜ぶ
たとえば、10分だけ机に向かった。
カメラをオンにして家庭教師の先生と話してみた。
そんな「たったこれだけ?」と思えるような一歩も、お子さんにとってはとても大きな挑戦です。
「今日、教科書開けたんだって?すごいじゃない」と声をかけてあげることが、次の一歩につながっていきます。
親が完璧じゃなくてもいい
支えようと頑張るあまり、自分を責めてしまう方も少なくありません。
「私の関わり方が悪いのかな」「ちゃんと導いてあげられていないかも」と悩む気持ちは、とてもよくわかります。
でも、大切なのは「正しいことを言うこと」ではなく、そばにいてくれる安心感を届けることです。
迷いながらでも、お子さんと向き合っている姿は、ちゃんと伝わっています。
8. オンライン家庭教師という選択肢もあります
不登校という状況は、決して「学びの終わり」ではありません。
むしろ、お子さんに合ったやり方で、自分のペースで歩き出すチャンスになることもあります。
今は学校という枠にとらわれず、さまざまな学びのスタイルが選べる時代です。
その中でも、オンライン家庭教師は「安心できる場所で、やさしく力をつけていきたい」と願うご家庭にとって、心強い味方になってくれます。
もちろん、どんなやり方が合うかはお子さんによって異なります。
でも、「もし、オンライン家庭教師ってどんな感じかな?」と少しでも気になったら、ぜひ一度試してみてください。
体験だけでも、お子さんにとって新しいきっかけになるかもしれません。
私自身も、不登校のお子さんと向き合ってきた中で、「人と関わる安心感」「自分を認めてもらえる経験」がどれほど大きな意味を持つかを何度も感じてきました。
ひとりで抱え込まず、誰かと一緒に少しずつ前へ進んでいけたら、それだけで十分なんです。
オンライン家庭教師について、もっと詳しく知りたい方やご相談をご希望の方は、どうぞお気軽にお問い合わせください。
ご家庭ごとの状況に寄り添いながら、無理のない形でサポートをご提案させていただきます。


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