1.なぜ「優しい先生」が必要なのか
「勉強しなさい」と言っても、反応がない。
「学校に行ってみたら?」と声をかけても、子どもは顔を背けてしまう。
そんな日々に、戸惑いや不安を感じていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
不登校になる背景は人それぞれですが、共通して見られるのが、「人と関わることへのしんどさ」です。
それは、いじめやトラブルのような直接的なきっかけだけでなく、「先生に否定された」「わかってもらえなかった」といった心の傷からくるものも少なくありません。
勉強そのものが嫌いなのではなく、「勉強しなさい」と言われることが怖かったり、「どうせできない」と思い込んでしまっていたりすることもあります。
そうした子どもにとって必要なのは、「よし、がんばろう!」とエンジンをかけてくれるような存在ではなく、
「今のままでも大丈夫だよ」と、そっと寄り添ってくれる人なのだと思います。
叱咤激励よりも、見守ってくれること。
正論よりも、「わかるよ」と言ってくれること。
不登校の中学生が、もう一度誰かと関わってみようかな、と思えるきっかけになるのは、そうした“優しい先生”との出会いなのではないでしょうか。
2.「優しい先生」ってどんな人?
「優しい先生」とひと口に言っても、人によってそのイメージは少しずつ違うかもしれません。
でも、不登校のお子さんにとって必要な“やさしさ”には、いくつかの共通点があるように感じます。
たとえば──
●話をさえぎらず、最後まで聞いてくれる先生
子どもがぽつりぽつりと話し始めたとき、途中で口をはさまず、うなずきながらじっくり聞いてくれる人。
その安心感が「この人には話してもいいかも」と感じる第一歩になります。
●ペースを合わせてくれる先生
「今日は話だけでもいいよ」
「カメラオフでも大丈夫だよ」
そんなふうに、子どもの心のスピードに合わせてくれる先生は、それだけで信頼されやすいです。
無理に引っぱるのではなく、「一緒に歩こう」と言ってくれる存在は、本当に心強いものです。
●できたことをちゃんと喜んでくれる先生
「今日ノートを開けたんだね、えらいね」
「前より少し声が明るくなった気がするよ」
そう言ってもらえると、子どもは小さな自信を積み重ねていけます。
それは、勉強よりも大切な“自己肯定感”の土台になるのです。
●否定しない先生
子どもの考え方や感情に「そんなこと言わないの」と返すのではなく、
「そう思ったんだね」「うんうん、それはつらかったね」と、まるごと受け止めてくれること。
これが、「この先生なら大丈夫」という安心につながります。
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ちなみに、私自身も中学生の生徒さんと関わるときには、最初から“教える”ことを目的にしていません。
まずは「安心して話せる関係になること」。
そして、もしタイミングが来たら、「一緒に勉強もしてみようか」と、そっと声をかけるようにしています。
優しさって、言葉や態度のなかににじむものだと思っています。
そしてそれは、ちゃんと子どもたちにも伝わるのです。
3.家庭教師という選択肢
「学校に行けないなら、塾に通わせようか」
「勉強の遅れをどうにかしなきゃ」
そんなふうに考える親御さんもいらっしゃると思います。
けれど、不登校のお子さんにとっては、“新しい環境に飛び込む”こと自体がとても大きな負担になります。
塾の教室に入る、人の目にさらされる、初対面の先生といきなり対話する──そういったことがプレッシャーになってしまう場合もあるのです。
そんなときに、やさしく寄り添える選択肢のひとつが家庭教師です。
特にオンラインなら、お子さんが自分のタイミングで、安心できる空間(自分の部屋など)から参加できるという大きなメリットがあります。
はじめはカメラをオフにしたまま、声も出さずにチャットだけ。
そんなスタートでも大丈夫なんです。
少しずつ慣れていって、「話してみようかな」「顔を見せてもいいかな」と思えたら、それが立派な一歩です。
私自身、現在は「横浜・鎌倉のプロ家庭教師」として活動しながら、オンラインで全国のご家庭に対応しています。
不登校のお子さんに対しては、「勉強のサポート」よりもまず、「関われる大人の一人になること」を大切にしています。
「まずは話だけでも聞いてもらえる先生を探している」
「子どものペースに寄り添ってくれる人がいい」
そんなご希望があれば、体験だけでもお気軽にご相談ください。
お子さんと直接やり取りを始める前に、親御さんとの面談も行っています。
お話しながら、「うちの子に合いそうかも」と感じてもらえたらうれしいです。
4.実際のご相談から
不登校のお子さんと関わるなかで、私が忘れられない生徒さんがいます。
中学2年生の女の子で、学校に行かなくなってから半年ほどが経っていました。
親御さんが「誰かと話せるようになってほしい」と願って、体験のご相談をくださったのがきっかけでした。
初回の面談では、カメラもオフ、マイクもミュート。
「無理に話さなくていいですよ」と伝えて、私から少しずつ話しかけたり、チャットで答えてもらったりしながら、ほんの10分ほどで終わりました。
でも、終了後に「また今度もお願いしていいですか」と親御さんからメッセージが届いたとき、私は「この10分のやりとりに意味があったんだ」と感じたのです。
数回目の授業で、彼女はぽつりとこう言いました。
「先生、声がやさしいね。学校の先生って、いつも怒ってばかりだった」
その言葉を聞いて、彼女がどんな思いで日々を過ごしてきたのか、胸がぎゅっとなりました。
それから少しずつ、雑談が増え、気が向いたときだけ簡単な問題に取り組むようになっていきました。
「できた」ことよりも、「自分でやってみようかなと思えた」ことが、何よりの成長だったと思います。
今では週に1回、彼女から「今週はこんなことがあったよ」と話してくれるようになり、
勉強も「この範囲だけはちょっとやってみようかな」と、自分で目標を立てられるようになりました。
もちろん、すぐに変化があるわけではありません。
でも、「関わる大人を、もう一度信じてもいいかもしれない」と思ってもらえること。
それが、やさしい先生との出会いがもたらす大きな力だと、私は信じています。
5.親ができることは「つなぐこと」だけでいい
不登校のお子さんを見守っていると、「何もできていないような気がする」と落ち込んでしまう親御さんも少なくありません。
でも、私はそうは思いません。
「この子に合いそうな人はいないかな」
「ちょっとだけでも、安心して話せる大人と出会えたら…」
そう思って検索し、こうしてこの記事にたどり着いた時点で、すでに大きな一歩を踏み出していらっしゃるのだと思います。
親が「先生を紹介する」というのは、子どもにとってとても大きな意味があります。
それは「あなたに合う人を、一生懸命探したよ」というメッセージだからです。
もちろん、子どもがすぐに会ってみたいと言うとは限りません。
でも、「こんな先生いるけど、話してみる?」とそっと伝えることだけでも、
お子さんの心に何かが残ることがあります。
つながりたい気持ちは、きっと子どもの中にもあるんです。
それが今はまだ表に出せないだけで、安心できる環境や人との出会いがあれば、少しずつその芽が動き始めることがあります。
親ができるのは、完璧なサポートではなくていいんです。
まずは「この先生なら安心かも」と思える人を見つけて、お子さんにつなぐこと。
それが、不登校の子どもにとっては何よりありがたい支えになります。
6.もし気になる方がいたら、お話だけでもどうぞ
不登校のお子さんにとって、「勉強を教えてくれる先生」よりも、「一緒にいて安心できる先生」との出会いが、何より大切だと私は感じています。
学校には行けないけれど、
まだ先のことは考えられないけれど、
でも、だれかと少し話せるかもしれない──
そんな気持ちが芽生えたとき、やさしく寄り添ってくれる大人がそばにいるだけで、子どもの世界はゆっくりと広がっていきます。
私自身も、家庭教師としての経験を通して、そんな瞬間に何度も立ち会わせてもらいました。
大きな一歩じゃなくていい。ほんの少しの変化を、一緒に見守れたらと思っています。
現在、私は「横浜・鎌倉のプロ家庭教師」として活動していますが、オンラインで全国対応が可能です。
ご希望があれば、まずは親御さんとの面談だけでも承っています。
「うちの子に合いそうかな?」というご相談だけでもかまいませんので、どうぞお気軽にお問い合わせください。

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