不登校で勉強もしない…その原因とは?子どもの気持ちと向き合うヒント

はじめに

「学校に行けていないだけでも心配なのに、家でも勉強しないんです」
そういった声を、これまで多くのおうちの方からうかがってきました。

不登校と勉強嫌い。この2つが重なると、どう向き合えばいいのか分からなくなってしまいますよね。
無理やりやらせてもいいの? それとも休ませた方がいいの?と悩んでしまうお気持ち、とてもよく分かります。

でも、実は「勉強しない」の背景には、さまざまな理由が隠れていることが多いんです。
そして、その原因を知ることで、お子さんの心の中が少しずつ見えてくることもあります。

この記事では、不登校で勉強をしなくなったお子さんが、どんな気持ちを抱えているのか、そして親としてどう寄り添えばよいのかについて、一緒に考えていきたいと思います。

焦らなくて大丈夫です。
お子さんのペースに合わせながら、小さなヒントを見つけていきましょう。

「不登校」と「勉強嫌い」は別の問題?それともつながってる?

「不登校」と「勉強嫌い」。
このふたつは、まったく別の問題に見えるかもしれませんが、実は深くつながっていることもあります。

たとえば、勉強についていけなくなったことがきっかけで学校がつらくなり、登校できなくなったお子さんもいれば、学校に行けなくなったことで生活リズムが乱れ、勉強する気力がなくなったというケースもあります。

中には、どちらが先だったのか自分でもはっきり分からない、という子も多いです。
「なんで学校に行けないの?」「なんで勉強しないの?」と聞かれても、うまく言葉にできないのは当然のことなんですね。

まずは、「どっちが先か」「どっちが悪いか」を考えるよりも、
「どうして今の状態になっているのかな?」と、少し引いた視点で見てみることが大切です。

次の章では、実際によく見られる原因について、いくつかのタイプに分けてお伝えします。
お子さんに当てはまるものがあるか、参考にしながら読んでみてくださいね。

よくある原因①:勉強についていけない・わからない

まず一番多く見られるのが、「勉強についていけない」「わからないことが多すぎて嫌になる」というケースです。

小学校のころから少しずつ苦手意識が積み重なってきて、
中学生になったタイミングで一気に「もうムリ!」という気持ちになるお子さんも少なくありません。

・授業のスピードが速くて、途中から何の話か分からなくなった
・テストで思うように点が取れず、「どうせ自分はできない」と感じてしまった
・勉強のやり方が分からなくて、どこから手をつけていいかも見えない

こういった経験を何度もしてしまうと、勉強に対して「苦手」ではなく「嫌い」「怖い」という感情を抱くようになります。

その結果、「勉強したくない」「学校にも行きたくない」と気持ちが後ろ向きになってしまうこともあるのです。

でも大切なのは、「努力不足だからこうなった」と責めるのではなく、
「どこでつまずいたのかな?」と一緒に振り返ることです。

勉強の内容が分かるようになると、少しずつ自信を取り戻す子も多いですよ。

よくある原因②:学校の人間関係がつらい

もうひとつ、勉強以前に大きなストレスになりやすいのが「人間関係のつまずき」です。

たとえば、
・友だちとうまく話せない
・仲間外れにされた
・教室にいるだけで緊張する
・先生の言い方が怖く感じた

こうした体験が積み重なると、「学校=安心できない場所」になってしまい、通うこと自体がつらくなります。

そして、学校に行けない自分を責めてしまったり、
教室の中で居場所がないまま授業を受けるのが苦痛になったりして、
自然と勉強にも手がつかなくなってしまうのです。

また、学校に行けていないことで「自分は遅れている」「周りに迷惑をかけている」と感じてしまい、
そのプレッシャーがさらに“やらなきゃいけないけどできない”という悪循環につながることもあります。

この場合は、勉強の問題だけに焦点を当ててもなかなか前には進みません。
まずは安心できる環境をつくることが、再スタートの土台になります。

「勉強が嫌いなんじゃなくて、心が疲れているのかもしれない」
そんなふうに、少し立ち止まって考えてみるのも大切です。

よくある原因③:家庭でのプレッシャーや期待

親としては、「ちゃんと学校に行ってほしい」「勉強はしておいてほしい」と願うのは自然なことです。
でも、その気持ちがいつの間にかお子さんにとって“プレッシャー”になってしまっていることもあるんです。

たとえば――
・「ちゃんと勉強しなさい」と何度も言われてきた
・良い成績を取らないと怒られる
・親の期待が大きくて、応えられない自分を責めている

このような経験を重ねると、
勉強=怒られる対象、失敗=ダメなこと、と感じるようになってしまいます。

すると、お子さんは「どうせできない自分はやらない方がマシ」と感じて、
勉強に取り組む前からあきらめてしまうことがあります。

特に、不登校の時期は心がとても敏感になっています。
何気ない一言でも「責められている」と受け取ってしまうこともありますので、
「がんばりなさい」よりも「どうしたら楽になるかな?」という言葉がけが大切です。

親御さんが「今のあなたも大切だよ」と伝えてあげることで、
お子さんの気持ちが少しずつほぐれていくこともあります。

よくある原因④:自己肯定感の低さ

勉強が嫌いで学校にも行けない。そんなとき、心の奥で「自分なんてどうせダメ」と思っている子も少なくありません。

自己肯定感が下がっていると、何をするにも「やっても意味がない」と感じてしまったり、
失敗がとても怖くなってしまったりします。

たとえば、こんな気持ちを抱えていることがあります。

・うまくいかなかったとき、「やっぱり自分はできない」と思ってしまう
・周りと比べて落ち込み、「自分には何もない」と感じてしまう
・「すごいね」と言われても、うれしさよりも気まずさが勝つ
・新しいことに挑戦するよりも、何もしない方が楽だと感じる

このような状態では、勉強を始めること自体がとても重たく感じられてしまいます。
「やる気がない」のではなく、「できなかったら傷つくから、やらないでおこう」と自分を守っている場合もあるのです。

だからこそ、まずは気持ちに寄り添うことが何よりも大切です。
「今はしんどいよね」「がんばってきたんだね」と声をかけてもらえるだけで、少しずつ心がゆるんでいくことがあります。

「大丈夫、あなたはあなたのままでいいんだよ」
そんな思いが、再び動き出す力につながっていくこともあるのです。

【チェックリスト】うちの子に当てはまる原因は?

ここまで読んでくださって、「うちの子にも似たところがあるかも」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。

ここでは、お子さんの様子を見直すヒントとして、よくあるサインをチェックリストにしてみました。
あてはまるものがあるか、ゆっくり振り返ってみてください。


□ 勉強の話をすると、顔がこわばったり、そっぽを向いたりする

□ そもそも何から勉強したらいいのか、本人も分かっていない

□ 学校の話をしようとすると、すぐに話題を変えようとする

□ 家ではリラックスしていても、勉強の話になると黙りこむ

□ 「できない」「どうせムリ」といった言葉が口ぐせになっている

□ 親が何か言う前から「怒られる」「どうせ無理」と身構えている

□ ほめられても「たまたま」「そんなことない」と否定する

□ 何かに取り組む前に、すでにあきらめているように見える


いくつか当てはまるものがあっても、心配しすぎなくて大丈夫です。
今は心が少し疲れているだけかもしれませんし、ゆっくり休む時間が必要なだけのこともあります。

大切なのは、原因を知ったうえで、そこからどう関わっていくか。
次の章では、「じゃあ、どうしたらいいの?」という視点で、具体的な関わり方をお伝えします。

原因がわかれば、やるべきことも見えてくる

「勉強しなさい」と言いたくなる気持ちは、親として本当に自然なものです。
でも、理由もわからないまま叱ってしまうと、お子さんとの距離がさらに広がってしまうことがあります。

原因がわかってくると、やみくもに「がんばれ」と声をかけるのではなく、
「今はここをサポートしてあげよう」と、具体的な関わり方が見えてきます。

たとえば、勉強がわからなくて困っている子には、
「いっしょに一問だけやってみようか」と手を差し伸べることで、気持ちが動くこともあります。

人間関係につまずいた子には、「無理に行かなくても大丈夫」と伝えながら、家の中に安心できる場所をつくることが大切です。

そして、自己肯定感が下がっている子には、
「いてくれるだけでうれしいよ」と、勉強とは関係のない部分で愛情を伝えていくことも効果的です。

焦らなくても大丈夫です。
ひとつずつ、「これならできそうかな」と思える小さなことから始めていくことで、お子さんの中にも少しずつエネルギーが戻ってきます。

次は、そうしたサポートの中でも「家庭以外でできること」として、オンライン家庭教師についてお話ししていきます。

オンライン家庭教師も一つの方法です

勉強に対する不安や苦手意識が強いお子さんにとって、「誰と一緒にやるか」はとても大きなポイントです。
その意味で、家庭以外で安心して頼れる存在として、オンライン家庭教師はひとつの選択肢になります。

オンラインなら、教室に行かなくても大丈夫です。
自分のペースで、顔を見せずにやり取りすることもできるので、人との距離感に敏感なお子さんでも取り組みやすいという特徴があります。

また、個別指導で「わからない」を丁寧に見つけてくれる先生と出会えると、
「できた」「通じた」という小さな成功体験を積み重ねることができます。

そうした体験が、「勉強ってちょっと楽しいかも」「またやってみようかな」という気持ちにつながっていくことも少なくありません。

もちろん、無理に始める必要はありません。
でも、もし「一緒に勉強できる人がいたら…」と思ったときは、オンラインという選択肢もあることを思い出していただけたらと思います。

「自分に合う先生に出会えたことが、大きな転機になった」
そんな声もたくさん届いています。

まとめ

不登校で、しかも勉強が嫌い。
親としてはとても心配になりますし、「どうにかしなきゃ」と焦ってしまう気持ちも、自然なことだと思います。

でも、お子さんが勉強に向き合えないのには、必ず理由があります。
「やる気がないから」ではなく、「心がしんどいから」だったり、「できない自分を見たくないから」という気持ちが隠れていることも多いのです。

まずは、お子さんの表情や言葉に目を向けながら、「どうして今こうなっているのか」を一緒に探ってみてください。
そして、その原因が少しずつ見えてきたときこそ、あたたかく寄り添うチャンスです。

無理に勉強させるよりも、安心できる環境を整えてあげたり、
できそうなことを少しずつ試したりすることのほうが、長い目で見て大きな力になります。

もしひとりで抱えきれないと感じたら、家庭の外の力を借りることも選択肢のひとつです。
お子さんにとっての「安心できる大人」が増えるだけで、世界の見え方が変わることもあります。

今は止まっているように見えても、
その時間は決してムダではありません。
回復への準備期間として、どうかあたたかく見守っていただけたらと思います。

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