学校に行けない今こそ、国語の力を。おうちでできる学び方

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こんにちは。家庭教師として不登校のお子さんのサポートをしている佐々木です。

あるお母さんからこんなご相談がありました。

「中1の息子が学校に行けなくなって半年になります。最近、気持ちが少しずつ落ち着いてきたようで、勉強を再開したい気持ちはあるみたいです。でも、どこから始めればいいか分からなくて…特に国語が苦手だったので心配です。」

不登校の間、勉強がストップしてしまうと、親御さんとしてはとても不安になりますよね。特に「国語」は、すべての教科の土台ともいわれる教科ですから、なんとかしてあげたいというお気持ち、よく分かります。

この記事では、不登校の中学生が「国語」をやさしく再スタートできる方法や、ご家庭でできるサポートのコツをお伝えします。

  1. なぜ「国語」から?その理由を3つお伝えします
    1. ① 国語はすべての教科の土台になるから
    2. ② 心を整えるきっかけになるから
    3. ③ 勉強っぽくない入り口から始められるから
    4. 「国語ならできそう」その感覚が大切です
  2. 不登校でも安心して取り組める!国語のやさしい勉強法
    1. 「教科書」から離れても大丈夫
    2. 興味のある読み物が、いちばんの教材
    3. 書くのが苦手でも大丈夫。まずは話してみる
    4. ステップアップの流れ:読む → 話す → 書く
    5. 「今日はこれだけ」でOK。無理せず続けることがコツ
  3. やる気が出ない時はどうする?勉強再開のコツ
    1. 「やらせる」より、「やってみてもいいかな」の空気づくり
    2. 小さくていい。「できた」が感じられる目標を
    3. 声かけのコツは、「評価しない」「選ばせる」
    4. 休んでもいい。でも、あきらめなくていい
  4. 親ができるやさしいサポートのしかた
    1. 無理に「やらせる」より、「選ばせる」
    2. 成績や過去より、いまの子どもを見てあげる
    3. 親が焦らずにいることが、いちばんの支えに
  5. 家庭学習だけじゃない!こんなサポートもあります
    1. 「家だけでなんとかしなきゃ」と思わなくて大丈夫
    2. 不登校に対応した家庭教師・オンライン学習という選択肢
    3. 通信教材・アプリも使い方次第で力になる
    4. 支援センターやフリースクールも視野に入れて
    5. 「親子だけで頑張る」から、「誰かと一緒に探す」へ
  6. お悩み相談:うちの子、国語が苦手で「読まない・書かない・考えない」んです…
  7. まとめ:国語の学び直しは、心の回復と自信の回復にもつながります

なぜ「国語」から?その理由を3つお伝えします

① 国語はすべての教科の土台になるから

問題文を読み取る、条件を整理する、自分の考えを書く——
こういった力は、どの教科でも必要になります。
国語を通して「読み取る力」や「伝える力」を育てることは、数学や理科、社会の学習にもつながっていきます。まさに“すべての教科の基礎”と言える教科です。

② 心を整えるきっかけになるから

不登校の子どもたちは、心が疲れてしまっていることがよくあります。
そんなとき、国語の教材や本は「気持ちを受け止める居場所」にもなります。
物語に共感したり、詩のことばに癒されたり。
読むことで落ち着いたり、安心できる時間が生まれやすいのが国語のよさです。

③ 勉強っぽくない入り口から始められるから

「いかにも勉強!」という雰囲気は、今の子には少しハードルが高いかもしれません。
でも、国語ならマンガやライトノベル、短いエッセイなど、興味を持ちやすい入り口がたくさんあります。
楽しみながら「読んでみようかな」と思えることが第一歩になります。

「国語ならできそう」その感覚が大切です

無理に頑張らせるのではなく、自然とことばに触れながら少しずつ自信を取り戻していく。
それが、国語という教科のやさしさであり、力強さでもあります。

不登校という経験を経たお子さんにとって、「できた」「わかった」と感じられる体験はとても貴重です。
その最初のきっかけとして、国語はとても相性のいい教科です。

不登校でも安心して取り組める!国語のやさしい勉強法

「教科書」から離れても大丈夫

学校の勉強というと、どうしても教科書や問題集を思い浮かべてしまいますよね。
でも、不登校のお子さんにとっては、それがプレッシャーになってしまうこともあります。

そんなときは、いったん教科書から離れてみましょう。
「楽しい」「読んでみたい」と思えるものから始めることで、自然とことばの世界に入っていけます。

興味のある読み物が、いちばんの教材

国語の入り口は、何も難しい文章でなくていいんです。

たとえば、

  • 好きなアニメのノベライズ本
  • マンガ(ふきだしの読解も立派な練習です)
  • 短い児童書やエッセイ
  • 音声付きの読み聞かせアプリやオーディオブック

こうしたものは「娯楽」のように見えて、しっかり読解力や語彙力を育ててくれます。

「読めた」「わかった」という小さな成功体験が、「もっと読みたい」気持ちを育ててくれます。

書くのが苦手でも大丈夫。まずは話してみる

国語というと、感想文や作文のイメージがあるかもしれません。
でも、いきなり書くのはハードルが高いという子も多いです。

そんなときは、書くより「話す」から始めてみてください。

  • 「どの場面が好きだった?」
  • 「このキャラクター、どう思う?」
  • 「わからない言葉、あった?」

このような問いかけを通して、言葉にする力が自然と養われていきます。
話したことをあとから一言メモにするだけでも、立派な勉強になります。


ステップアップの流れ:読む → 話す → 書く

おすすめのステップはこの3段階です。

  1. 読む:好きな本やマンガでOK
  2. 話す:読んだ感想や気持ちを口に出す
  3. 書く:思ったことを短くメモする

いきなり「作文を書いてみよう」ではなく、「この登場人物、なんて言いたかったんだろうね?」のような会話から始めると、抵抗感がぐんと減ります。


「今日はこれだけ」でOK。無理せず続けることがコツ

調子のいい日は数ページ読めたかもしれません。
でも、疲れている日は1ページも開けないこともあります。

そんな日も、「今日は表紙だけ見たね」「1行だけ読んだね」と、できたことを認めてあげてください。

大切なのは「毎日たくさんやる」ことではなく、「自分のペースで続けられる」ことです。

必要なら、今の状態に合った教材やアプリを一緒に探すこともできます。
「家庭での取り組み方が分からない」と感じたら、専門の家庭教師や支援者の力を借りるのも一つの方法です。
お子さんの気持ちを尊重しながら、ゆっくり少しずつで大丈夫ですよ。

やる気が出ない時はどうする?勉強再開のコツ

「やらせる」より、「やってみてもいいかな」の空気づくり

不登校の子どもたちによくあるのが、「やりたい気持ちはあるけど、動けない」という状態です。

これは決して怠けているわけではなく、「できなかったらどうしよう」「また怒られるかも」といった不安やプレッシャーが背景にあることが多いです。

そんなときに「いいからやりなさい」と言われてしまうと、心がさらに閉じてしまうこともあります。

まずは、勉強を再開するための「安心できる土台」をつくっていくことが大切です。


小さくていい。「できた」が感じられる目標を

やる気が出ない日ほど、「今日はこれだけでいいよ」とハードルを下げてあげましょう。

たとえば、

  • 本の表紙を見るだけ
  • 好きな言葉を1つメモする
  • 音読を1分だけしてみる

そんな小さなことでも、「できたね」と声をかけてもらえると、少しずつ自信につながります。

「全部できた日」よりも、「今日は1行だけでも進めた日」の積み重ねのほうが、勉強を続ける力になります。


声かけのコツは、「評価しない」「選ばせる」

勉強をすすめるときの声かけには、ちょっとしたコツがあります。

たとえば、

  • 「今日は読むのと書くの、どっちがいい?」
  • 「この中で興味あるお話、選んでみる?」
  • 「気になるところがあれば、そこだけで大丈夫だよ」

選択肢を与えて、自分で選べる環境をつくることで、勉強に対する主体性が育ちます。

また、「なんでできなかったの?」ではなく、「今日の調子はどう?」という声かけのほうが、子どもは安心して向き合いやすくなります。


休んでもいい。でも、あきらめなくていい

やる気が出ない日は、休んでかまいません。

勉強を再開するには、心のエネルギーが必要です。
お子さんが「ちょっとやってみようかな」と思えるようになるまで、焦らず見守ってあげてください。

その「やってみよう」が出てきたとき、すぐに応援できるように、あたたかい環境を整えておくことがいちばんのサポートになります。

親ができるやさしいサポートのしかた

教えるよりも、「一緒に楽しむ」気持ちで

「私が国語を教えないといけないのかな」
「間違いを指摘したほうがいいのかも」
そんなふうに考えて、プレッシャーを感じている親御さんも多いと思います。

でも実は、お子さんにとっていちばんうれしいのは、「勉強の時間を一緒に過ごしてくれること」なんです。

たとえば、

  • 同じ本やマンガを読んで「このキャラ好きかも」と話してみる
  • クイズのように言葉遊びをしてみる(例:「”しりとり”で名詞だけ」など)
  • 短い詩や言葉を読んで、「どんな気持ちだった?」と軽く感想を聞く

こういったやりとりは、「勉強」と思わずにことばに親しむ時間になり、お子さんの安心感にもつながります。

無理に「やらせる」より、「選ばせる」

やることを押しつけるよりも、「どうする?」と聞いて選ばせることが、勉強への抵抗感を和らげてくれます。

たとえば、

  • 「この中で、読みやすそうなのある?」
  • 「今読むなら短いのがいい?それとも長くてもいい感じ?」
  • 「今日は本とアプリ、どっちにする?」

自分で選んだものだと、「やらされている」感覚が薄れ、取り組みやすくなります。
これは、国語だけでなく、他の教科や日常の習慣づくりにもつながるサポートのしかたです。

成績や過去より、いまの子どもを見てあげる

不登校になってから勉強が進んでいないと、「このままで大丈夫かな」「もう○年生なのに」と焦ってしまうこともあると思います。

でも、お子さんのペースで学び直せることこそが、家庭で学ぶ一番の強みです。

  • 「できたこと」に目を向ける
  • 「興味を持ったこと」に寄り添う
  • 「やってみたい気持ち」を大切にする

この3つを意識するだけで、子どもの表情が少しずつ変わってきます。

親が焦らずにいることが、いちばんの支えに

お子さんが元気な日もあれば、そうでない日もあります。
そんな毎日の中で、親が「今日は読めたね」と笑顔でいてくれるだけで、子どもは安心できます。

焦ってしまう日があっても大丈夫。
その都度立ち止まりながら、また少しずつ歩いていけばいいんです。

勉強のことばかり気にせず、「今日も話せてよかったね」「一緒に笑えたね」といった、暮らしの中の小さな喜びを大事にしていきましょう。楽に取り組めますよ。


家庭学習だけじゃない!こんなサポートもあります

「家だけでなんとかしなきゃ」と思わなくて大丈夫

お子さんが学校に行けなくなったとき、多くの親御さんは「せめて家で勉強を…」と一生懸命になられます。

でも、家で勉強を続けるのは、簡単なことではありません。
親が教えようとしても、反発されてしまったり、うまくいかずに落ち込んでしまったり。
そんな経験をされている方も、少なくないのではないでしょうか。

もし、少しでも「しんどいな」「一人では難しいかも」と感じたら、無理をせず、外のサポートを頼ってみてください。
それは、お子さんにとっても、親御さんにとっても前向きな選択です。


不登校に対応した家庭教師・オンライン学習という選択肢

最近は、不登校のお子さんへの理解が深い家庭教師や、専門のオンライン学習サービスも増えてきました。

特徴としては:

  • 学校の進度にとらわれず、本人のペースで進めてくれる
  • 心の状態やモチベーションに配慮してくれる
  • 家から出なくても安心して学習ができる
  • 学習内容だけでなく、話し相手として寄り添ってくれる

国語のように「正解が一つじゃない教科」は、丁寧な対話を通して学ぶのに向いています。
本人に合った先生や方法が見つかれば、勉強に対する見方が少しずつ変わってくることもあります。


通信教材・アプリも使い方次第で力になる

すべての子に合うわけではありませんが、自宅で使える通信教材や学習アプリも、手軽なサポートになります。

おすすめの活用方法は、

  • 本人が「使ってみたい」と思えるものを一緒に選ぶこと
  • 「完璧にやる」より、「気になったところから」始めること
  • 使ったあとに「どうだった?」と話す時間をとること

紙の教材が好きな子もいれば、スマホやタブレットの方が入りやすい子もいます。
合うものを少しずつ探していけば大丈夫です。


支援センターやフリースクールも視野に入れて

お住まいの地域によっては、教育支援センターやフリースクールといった居場所・学びの場もあります。

そこでは、同じように不登校を経験している子どもたちと出会えたり、少人数で落ち着いて学習ができたりすることもあります。

まずは見学だけでも構いません。
「学校とはちがう場所がある」ということを親子で知っておくだけでも、気持ちが軽くなることがあります。


「親子だけで頑張る」から、「誰かと一緒に探す」へ

勉強のこと、進路のこと、子どもの将来のこと…
考えれば考えるほど、不安が膨らんでしまうこともあると思います。

でも、ひとりで抱えなくていいんです。
そして、がんばりすぎなくてもいいんです。

学校でも家庭でもない「第3の場所」や「信頼できる大人」がいることで、親御さんの心にも少し余裕ができます。
その余裕こそが、お子さんにとっていちばんの安心につながっていきます。

お悩み相談:うちの子、国語が苦手で「読まない・書かない・考えない」んです…

こうした声、本当によく聞きます。

「文章を読むのが面倒くさい」
「何を書けばいいか分からない」
「考えるってなにを?」

このように感じているときは、国語そのものに苦手意識があるというより、「間違えたくない」「できなかったらどうしよう」という不安が背景にあることが多いです。

まずは、本人が「話す」ことから始めてみてください。

  • 「これ読んでどう思った?」
  • 「好きなセリフ、ある?」
  • 「主人公の気持ち、どうだったかな?」

こうしたやさしい問いかけを通して、「考える」「言葉にする」練習になります。


まとめ:国語の学び直しは、心の回復と自信の回復にもつながります

不登校で勉強が止まってしまうと、不安や焦りが募ってしまうかもしれません。でも、国語の学びは、いつからでもやり直すことができます。

ことばを通して世界を知ること
誰かと気持ちを共有すること
自分の中にある「わかる」「伝えられる」という小さな自信

それらは、勉強の成果以上に、お子さんの未来を支える力になっていきます。

おうちの方にできるのは、「そばで見守ること」そして「信じて待つこと」です。

もし一人で難しければ、家庭教師などの力を借りることも選択肢の一つです。
大丈夫です。焦らず、一歩ずつ進んでいきましょう。

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