1. はじめに:勉強しない=サボってる、ではない
不登校になると、どうしても気になるのが「勉強のこと」ではないでしょうか。
「学校にも行ってないのに、勉強もしないなんて…」
「このままで本当に大丈夫なの?」
そんなふうに感じるのは、親としてごく自然なことです。先の見えない不安や焦りがあるからこそ、つい「ちゃんと勉強しなさい」と言いたくなってしまう。
でも、ちょっと立ち止まって考えてみてほしいんです。
本当に「やる気がないだけ」でしょうか?
本当に「サボってるだけ」なのでしょうか?
勉強しないのには、必ず理由があります。
特に不登校の状態にあるお子さんにとっては、心の中でいろんなことが渦巻いているもの。見た目にはただ寝転んでいるように見えても、心の中ではずっと悩み続けていることもあるのです。
この記事では、「なぜ不登校の子は勉強しないのか?」という原因を一緒にひもときながら、親としてどんなふうに寄り添えるかを考えていきたいと思います。
決して責めたり押しつけたりすることなく、子どもが少しずつ前を向けるようなサポートを、一緒に探していきましょう。
2. 不登校×勉強しない、よくある3つの背景
不登校の状態にあるお子さんが勉強しないのには、必ず理由があります。
その背景を親が理解してあげることで、子ども自身も「わかってくれるんだ」と安心できます。ここでは特に多く見られる3つの背景について、もう少し詳しくご紹介します。
① 心が疲れていて、学習どころではない
不登校は、ただ「学校が嫌」というだけで起こるものではありません。
そこには、毎日緊張し続けていたり、人間関係で傷ついていたり、自分を守るために限界までがんばっていたりと、心がすり減るような体験が積み重なっていることが多いのです。
教室でうまく話せなかった、先生の言葉がこわかった、友達とトラブルになった――
こうした経験が続くと、「学校」という場所そのものが怖くなってしまいます。
そして、いったん登校をやめたあとも、頭の中ではずっと「あのときこうすればよかった」「自分は何か悪かったのかな」と、悩み続けている子もいます。
そんな状態では、目の前の勉強に集中する余裕なんてありませんよね。
“心のエネルギー”が底をついている子どもにとって、勉強は「できない」のではなく「する余力が残っていない」のです。
② 勉強の遅れに自信をなくしている
不登校になると、授業から離れる期間がどうしてもできてしまいます。
その間に教科書はどんどん進み、友達は問題を解けるようになり、気づいたときには「もう追いつけないかも」と強く感じてしまいます。
そして一度「遅れてしまった」と感じると、本人の中で“勉強へのハードル”が急激に高くなってしまうんです。
- 「わからないところが多すぎて、どこから手をつけたらいいかわからない」
- 「できないのがバレるのが怖い」
- 「今さらやっても無駄だって思われるかも」
特に、小学生高学年や中学生になると、自分とまわりを比べる力がついてくるため、「どうせ無理」「自分はダメなんだ」と思い込んでしまいやすいです。
「勉強しなさい」と声をかけても、「どうせやってもできないし」と拒否された経験はありませんか?
それは、怠けているのではなく、自信がボロボロになってしまっているサインかもしれません。
③ 勉強の意味がわからなくなっている
「なんで勉強しなきゃいけないの?」――
この問いは、勉強へのやる気を失っている子どもたちがよく抱えるものです。
不登校の子どもたちは、「勉強=学校」というイメージを強く持っています。
その学校に行かなくなった時点で、「もう勉強も必要ないのかも」「学校に行かないならやる意味ないよね」と感じてしまうのです。
また、これまでの勉強でつらい思いをしていた場合、それがトラウマのように残っていることもあります。
- 授業で当てられて答えられず、恥をかいた
- 宿題を忘れて怒られた
- 「なんでこんなこともわからないの?」と言われた
こういった経験が積み重なると、「勉強=苦しいもの」「できない自分を思い出すもの」として記憶されてしまいます。
「勉強しようよ」と言われるだけで、胸がざわざわしたり、無意識に避けてしまったりするのはそのためです。
こうした背景を親が理解しているだけでも、子どもの反応は少しずつ変わっていきます。
無理に引っ張るのではなく、「今の状態を一緒に見つめよう」とするスタンスが、回復の第一歩になります。
3. 親としてできること:叱るより「気づく」
子どもが不登校になり、家でも勉強しない日々が続くと、親としてはどうしても焦りが出てきます。
「このままで将来どうなるんだろう…」
「また学校に行ける日が来るのかな…」
そんな不安が積もると、つい口から出てしまうのが、「なんで勉強しないの?」「ちょっとはやってみたら?」といった言葉。
でも、子どもが動かないのには理由があります。
その理由に気づかないまま、ただ「やりなさい」と言われ続けると、子どもの心はどんどん閉じてしまいます。
■ 大人の「普通」は、子どもの「無理」かもしれない
大人の感覚だと、「せめて1日15分でも勉強すればいいのに」と思うこともあるかもしれません。
けれど、今の子どもにとっては、その15分が“とてつもなく大きな壁”に感じられていることもあります。
たとえば――
- 教科書を開くと、焦りや罪悪感で胸がざわつく
- ペンを持とうとすると、「どうせできない」と頭の中で声がする
- 「がんばれ」と言われるたびに、「がんばっても無駄だった」と思い出してしまう
こうした状態にあるとき、叱られることでやる気になる子はいません。
むしろ、「わかってくれない」「期待に応えられない」と感じて、親に対しても自分に対しても、心の距離がどんどん広がってしまうのです。
■ 「勉強させる」より「今の気持ちを聞く」
勉強を始めさせるために、特別な方法や心理テクニックが必要なわけではありません。
大切なのは、「勉強していない子ども」を見るのではなく、「勉強できない気持ちを抱えている子ども」に目を向けることです。
こんなふうに声をかけてみてください。
- 「最近、なんとなくしんどそうに見えるけど、どんな気持ちなのかな?」
- 「今日は何して過ごしてた?何か楽しかったことあった?」
- 「学校のこととか、勉強のこととか、聞かれたくなかったら言わなくていいからね」
こうした言葉の背景には、「あなたを責めるつもりはないよ」「今のあなたのままで受け止めるよ」というメッセージが込められています。
子どもは、勉強を始める前に「安心していいんだ」と思える場所を必要としています。
親のまなざしが“コントロール”ではなく“理解と見守り”に変わったとき、子ども自身も少しずつ気持ちを開いていくのです。
■ 心の安全基地は、家庭から
学校に行かない今、子どもにとっての“安全基地”は家庭です。
外の世界で自信を失い、人間関係に傷ついた子どもが、家の中でも「できてないこと」を責められると、どこにも居場所がなくなってしまいます。
だからこそ、親御さんが「ここだけは安心していられる場所だよ」と伝えることには、ものすごく大きな意味があります。
- 勉強してもしなくても、あなたはあなたでいい
- 焦らなくても大丈夫、ゆっくりでいい
- 一番そばにいる大人が、あなたを信じて見守っているよ
この安心感こそが、子どもがまた自分で前を向く力の“土台”になります。
4. 一歩踏み出すためのサポート方法
子どもが勉強から離れていると、「やらなきゃ」と頭ではわかっていても、気持ちがついていかないことがほとんどです。
心のエネルギーが戻ってきたとしても、「じゃあすぐに机に向かおう!」とはなかなかならないもの。
ここで大切なのは、「やる気が出てからやる」ではなく、「少しでも動いてみることでやる気がついてくる」流れをつくることです。
■ 小さな成功体験を積み重ねよう
どんな小さなことでも「できた!」という体験は、自己肯定感を少しずつ回復させてくれます。
たとえば、こんな工夫が効果的です:
- 「5分だけ」「1問だけ」など、ミニ目標を設定する
→ 最初は漢字1つ、単語カード1枚でもOK。 - おうちの人と一緒にやってみる
→ 「私もわからなかったんだよ」など、大人も一緒に学ぶ姿を見せると安心感が増します。 - 勉強ではなく“興味”から入る
→ 好きなアニメのキャラ名を使って英単語を調べたり、ゲームに出てきた歴史上の人物を一緒に検索してみたり。
これらは“学習”に見えないかもしれませんが、子どもにとっては立派な「知的な活動」。
「やってみたら楽しかった」「話すのはちょっと面白かった」という感覚が、次の行動への原動力になります。
■ 家庭だけで頑張りすぎないで
とはいえ、親御さんが一人で全部背負おうとすると、どうしても疲れてしまいますよね。
「何を言っても響かない」「つい感情的になってしまう」というのも、よくあることです。
そこで活用していただきたいのが、外部の第三者です。
とくに不登校のお子さんには、「家庭でもなく、学校でもない第三の安心できる場所」としてオンライン家庭教師がぴったりなケースも多いです。
■ オンライン家庭教師という“安心のスタート地点”
不登校のお子さんにとって、「先生=怖い」「学校の延長っぽい」というイメージを持っていることもあります。
でも、オンライン家庭教師なら――
- 通わなくていいから、安心して画面越しに関われる
- 人見知りでも、雑談からゆっくりスタートできる
- 個別対応だから、わからないことも聞きやすい
- 勉強より先に「安心して話せる人ができた」が最初のステップに
実際、私のもとに来てくれる生徒さんの中にも、「最初はまったく話さなかった子」が少しずつ心を開き、「今日はこんな夢を見たよ」「ゲームでね…」と笑顔で話してくれるようになった例がたくさんあります。
それが、やがて「また先生に会いたい」→「何か一緒にやってみたい」→「ちょっと勉強やってみようかな」という流れにつながっていきます。
家庭での支援と並行して、信頼できる第三者の存在をそばに置いてあげることは、子どもにとって大きな安心になります。
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5. まとめ:勉強の再スタートは「心の安全基地」から
不登校のお子さんが勉強しないとき、親としてはどうしても不安になりますよね。
「このままで将来はどうなるの?」「取り返しがつかなくなるんじゃないか」――そんな思いが募るのは当然のことです。
でも、焦って無理にやらせようとすると、かえって子どもとの関係がこじれてしまうこともあります。
今、大切なのは「勉強をやらせること」よりも、「また自分の力で歩き出すための土台」を整えることです。
子どもにとって、親のまなざしが“責め”ではなく“安心”であること。
「今はできなくても大丈夫」「あなたはそのままで価値があるよ」と伝わること。
それが、再スタートに向けた一番の力になります。
そして、どうしても親だけでは難しい場面では、家庭の外の力に頼るのも立派な選択肢です。
たとえば、オンライン家庭教師のように、お子さんのペースを尊重しながら関わってくれる存在がそばにいると、ふとしたきっかけで大きく前進することもあります。
「一人じゃないよ」
「ゆっくりでも大丈夫だよ」
そんなメッセージを、これからもお子さんに届けていけるといいですね。


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